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東京2020オリンピック・パラリンピックの文化プログラムを先導するリーディング・プロジェクト「TURNフェス」が3月4日から6日まで、東京都美術館で行われました。これは、異なる背景や習慣をもつ1人ひとりが、「出会う」ことを楽しみ、深め、共有するフェスティバルです。16組の表現者が、人と人が「出会う」ことの可能性を提示しました。表現者は昨年秋から、さまざまな施設に通
うところから始めました。
例えば、「クラフト工房LaMano」は、一般就労が困難な人たちが働いている場。「シューレ大学」は、学校に通
いつらくなった人たちが集い、自主的に学生生活を考えていく学習の場。「ハーモニー」は世田谷区にある施設で、統合失調症、PTSD、発達障害などと診断された人たちが利用している就労支援施設です。東京以外にも、静岡県浜松にある「認定特定非営利活動法人クリエイティブサポートレッツ」。奈良市にある「一般
財団法人たんぽぽの家」。福岡市にある「工房まる」などにも訪ねて行きました。
表現者には、コミュニケーションアートなる類の領域が近年出てきているのですが、人と出会うことを目的としたアートを表現手段としている人たちに、参加してもらいました。会場の入口には、このフェスを監修している私の「TURN」についてのステイトメントがあります。
「おなじはない」がアートの原理。TURNはアートの原理を社会の構造にしみ込ませていくための媒体。生きるということは、自分ではない人たちと一緒に過ごしていくこと。自分以外はみな他者。少しでも分かり合いたいという気持ちが一瞬重なる。TURNがいる場所を訪ねていく。区切らずみんながいる風景。
アートの力は人間の社会の基盤。全ての人が生きていることを実感できる表現者になる。ものがアートじゃなくて、感じる人の力がアート。受け手がいるから表現者がなりたつ。TURNする意識・価値観・見方を獲得していく。人がはじめからもっている力を見つめなおす。TURNの時間。自分の奥深いところを見に行く行為のようなもの。社会におけるアートが発揮している力は、今はまだ氷山の一角。TURNは旅である。
3日間は出会いの場でした。それぞれの異なった施設の利用者の人たちが、アーティストによって、フェスの会場に現れて、美術館を訪れた人と出会い、また日頃は会う機会の少ない施設同士の出会いもあり、人の魅力ある多様性を体感した3日間でした。TURNの活動はこれからも継続していきます。
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