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手回しオルゴールの機械の部分の基盤のビズ穴に先を削った割り箸の先を差し込んで、反対側の先を歯でえる。そしてオルゴールを手回しすると、オルゴールの音が頭の中に響いてくる。これは骨伝導の原理です。
ある日私はこれを面白がってやっていた・・・。そのうちに、この自分の姿がパイプをふかしているように見えてきた。「オルゴール+割り箸=パイプ」この意外な答えが、あの絵を連想させた。その絵はシュールレアリズムの巨匠ルネ・マグリットが描いた「イメージの裏切り」というタイトルの絵である。この絵にはパイプが描かれてあり、同時にフランス語で「Ceci
n`est pas une pipe」と絵の中に書いてある。意味は「これはパイプではない」である。
「えっ? どう見てもこれはパイプじゃない」「そうですよ、これはパイプの絵(イメージ)ですよ」「でしょ?
なのに、なぜ、これはパイプではないと書いてある?
」「だって、これはパイプの絵であって、パイプではありません」ということである。
この絵が描かれた1929年の頃アート界では根本的に「アートとは何か」という課題に多くの作家が取り組んでいた。有名なものではマルセル・デュシャンの「Fountain(泉)」という小便器の作品である。私たち人間には想像力、先入観、イメージの連鎖、意味の紐付け、などがあり、それらがアートには大いに関係してくるのである。
9月7日から11月25日まで六甲ミーツアート2018という展覧会が行われています。私は六甲オルゴールミュージアムにて「これはパイプではない」というタイトルの参加型作品を出品しています。そのほかに、紙に穴を開けると楽譜になるオルガニートという楽器を使って、切り絵をして作曲し演奏する作品「SHEET
LAB」、そして私が作曲した音楽(X DEPARTMENT. 1991年)を直径50センチくらいの金属円盤に穴を開けて、本格的なクラッシックオルゴールで演奏も聞くことができます。神戸の街を見下ろす六甲山をケーブルカーで急勾配を登っていくと山の中で出会う不思議な時間です。
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