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金沢21世紀美術館で3月20日まで行っている個展「ホーム→アンド←アウェー方式」は各地の私が行っているアートプロジェクト活動に金沢の若者が出向いて参加し、外から自分の故郷を見つめ、また訪ねた地で金沢のことを語ることによって自ら再確認するというプログラムをもとに展開していったプロジェクトである。これを来年度も続けて行うことになった。今年度はこのプログラムを明後日朝顔プロジェクトと絡めて、朝顔の育成を各地での共通
言語として行っていった。
来年度は故郷と遠征地という場所性のホームアンドアウェーから視点を変えて、領域でのホームアンドアウェーということを考えてみる。つまりアートというホームの領域と、それ以外の領域をアウェーととらえて、そこを行き来するという形に持っていこうと思っている。
そこでアウェー領域として取り上げたのが「演劇」という世界である。これはアートを取り込んでいる領域ともいえるし、アートの中の領域とも見える部分もある。美術館という箱と劇場という箱がある。このふたつには様々な表現が実験的に試行錯誤され続けているところだが、それぞれの箱の中で最も典型的なものの姿をあげると、身体と言語が空間の中で時間にコントロールされながら物語を紡いでいくという演劇と、身体の行動の軌跡を言語思考でコントロールしながら空間に定着させるというアートという言い方ができるのであろうか。
この特徴を踏まえた上において、舞台というメディアを展示室の中に出現させるとどのようなことが起こってくるのか? まずは舞台という彫刻的な立体作品を制作する。この作品は人が入り込むことが可能な、というか身体を取り込んで成立する作品になる。舞台に立って、彫刻作品の中からこの立体作品を鑑賞することが出来る、とともにその姿は舞台の外の観客席スペースから鑑賞されている。舞台と客席は行き来が出来る構造になっている。
舞台では時折、意図的に観客に伝えようとする者も現れる可能性がある。舞台に立つという状況は日常の中には存在しないことではあるが、それが展示室という作品の舞台の中に現れ、出演者としての観客はどのような演技をするのか? この個人の中においてもホームアンドアウェーという領域が出現してくるのかもしれない。
このような装置の中でアウェーの先導者として野田秀樹さんを、今回は呼ぶ予定である。さてHIBINODA的な化学反応がどのように起こるのか楽しみである。
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