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「100年来の夢をかなえることができました!」そんな言葉を聞くことはやたらにあるものではない。サッカー協会の川淵キャプテンが100年構想をぶち上げたのは10年ほど前。まだあと90年かかる。私がその滅多に聞くことのできない言葉を耳にしたのは九州は福岡、1100年の歴史を持つ太宰府天満宮の宮司さんからだった。
「祖父が明治の初めに、天満宮の中で博物展覧会をしました。その直後、九州に博物館をつくる話が本格的になり、国からの予算も組まれたのですが、日清・日露戦争と重なり現実化せず、今日まで至っているのです。それがやっとのことで、19世紀にできた東京・京都・奈良に次ぐ4番目の国立博物館として21世紀になってできたのがこの九州国立博物館なのです。大陸文化の入り口である九州・大宰府の100年来の夢でした」
私はこの10月16日にオープンする前に宮司さんに呼ばれて、ちょっと見てきた。宮司さんがサッカー好きで、それが縁で15年ほど前に福岡にプロサッカーチームを作ろうというイベントが太宰府天満宮内であり、それ以来のお付き合い。彼は人でごったがえす境内の中で立ち話を続けていた。
「太宰府は遣唐使・遣隋使の入り口であり、ここから様々なものが広がっていきました。私はこれからもここから文化を発信していきたいのです。過去の遺産の研究だけではなく、物の展示だけでなく、未来への提案、人との交流をここで行っていきたいと思っています」
最近は美術館の様子はちょっと変わってきたけれど、博物館は依然として昔ながらのイメージ。どうもここはちょっと変えようとしているらしい。19世紀にできた3つの博物館と21世紀にできた4つ目の博物館は当然、運営の仕方、国民への役割が異なってしかるべきであろう。ちょっと楽しみな、これまでとは違ったスタンスの国立博物館ができようとしている。
まずは大晦日と元旦の深夜営業であろう。なんてったって日本で9番目に多い初詣客を迎える神社なのだから。その集客能力を生かさない手はない。
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