ミラノサローネに久しぶりに行ってきました。毎年4月にイタリア、ミラノで行われている「国際家具見本市」です。今年で31年目、世界から2580社が参加し、33万人が訪れる世界最大のインテリアデザインのショウです。
市内各所でデザイナーやメーカが1年に1度腕をふるってアピールします。大手は万博のパビリオン並みの特設ショウルームを設けたり、商品だけでなく、そのイメージを伝える映像やパフォーマンスにも力を入れて、観客たちをその世界に誘います。
私が初めて行ったのはもう30年も前のことになります。正直言うと、私は別
の要件でミラノに来ていて、街でばったり日本のインテリアデザイナーの巨匠、故内田繁さんにお会いし、ミラノサーローネの存在を知ったのです。
内田さんに私が今夜ミラノを発つことを伝えると「明日からサローネが始まるのに何を言っているんだ? ホテルは私の友人が内装を手がけた、いいホテルがあるからそこに泊まればいいから、絶対見ていけ!」と半ば命令が下り、その日から3日あまりサローネを満喫することになったのです。
想い出とは意外性があればあるほど記憶に残るものです。その出会い方は衝撃的なものでした。デザインをこれほど街をあげて盛り上げ、また皆が批評し合う。何よりもデザイナーも観客もメーカーの人も楽しんでいる姿が羨ましいほどでした。
今回もどんな出会いがあるかと2日間の短い滞在でしたが、現代のインテリアデザイナーのトップを行く深澤直人さん、吉岡徳仁さんらと会い(日本ではあまり合わないけれど、ミラノだと会う)、彼らはデザインの街で次なる何かを狙う眼差しを目撃することができました。
で! 今回の私の要件は、東京藝大が初めてサローネに参加することになり、その会場での記者会見と出品している作家とのトークショウが仕事でした。そして、この活動を支援してくれている「感動創造研究所」は、名の通
り「感動」をテーマとしている団体で、これから10年計画で大学と共同してサローネで発表し続けて行く予定です。また来年しっかり準備をしてミラノに乗り込みたいと思います!
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