日本のサッカーがプロになって、Jリーグが出来た。各地域に地元に根差したプロスポーツクラブが生まれ、スポーツに対するイメージが随分と変わってきた。それまでのスポーツといえば、企業を親会社とするプロ野球のような商業的なもの、もしくは全くのアマチュア精神での教育的なもののどちらかでしかなかったのが、その両者の長所を持ち合わせた組織として生まれたのがJリーグである。
組織を運営していくには金銭的な支援が必要である。そのためにクラブは地元企業を中心として営業活動を行う。と同時にスタジアムへの集客のためのイベントを考えたり、若手育成のためのジュニアクラブなどの地元の人たちとの関わりを持つ仕組みをつくり、地元民がクラブを支えているという関係性を築いていく。ここがポイントだ。
自分たちのチームという意識。これが顕著に表れるのが、高校野球の甲子園ということになる。各県の代表校が競う大会である。甲子園がこれほど盛り上がるに絶対的なものは、47都道府県からの代表というその数であり、これが半分の参加校とかになってしまったら、ここまでは盛り上がらないであろう。
現在JリーグはJ1が18チーム、J2が19チームの計37チーム。来年からはJ2に鳥取のチームが加わり38チームとなる。サッカー協会としては将来的にもっと増やしていく方向である。先日Jリーグアワードという1年間の総括的な表彰式があった。今年は名古屋グランパスが初優勝し、MVPも名古屋の楢崎選手が獲得した。そのあとのパーティーでは、サッカー協会小倉会長、大東Jリーグチェアマン、各クラブチームの監督や、若手選手、関係者などが集まり、高円宮久子妃殿下も参加され、ブラックタイの盛装で紳士のスポーツであるサッカーの1年を締めくくった。
この会場で、私が懇意にしているクラブチームの人達とも多く会った。FC岐阜の倉田監督、アビスパ福岡の篠田監督、水戸ホーリーホックの木山監督。どの監督とも私が美術館やアートプロジェクトの仕事でその地方に行った時に知り合った人達である。篠田さんと木山さんは同期で、篠田さんの現役の時のコーチが倉田さん。などとみんな狭い世間であり、互いにシーズン中はグランドでしか会えないし、会うときは敵同士である。まして3人が一緒に顔をそろえるなんていうのはこんな時にしかありえない。それぞれの地域の話をしながら、来シーズンに向けての健闘を誓った。この「日々の新聞」が発行されている福島にもJリーグのチームが生まれることを願ってます。
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