岐阜県美術館が11月3日に一年間の改修工事を終えてリニューアルオープンしました。主な工事は空調、温室度管理、照明などのハード面
ですが、同時に「アートコミュニケーション」という新たな機能を設けました。この組織で活動する人はアートコミュニケーターと呼ばれます。その内容はアートを介して地域住民の生活を豊かにする手段を考え実行していき、新たなアートの役割を美術館ベースとしてトライしていくことになります。メンバーは一般
から募集します。先例としては東京都美術館と札幌での展開があり、岐阜が国内では3例目となります。
改修に伴いアートコミュケーターズルームを設け、常時メンバーが集い、ミーティングを行い、来館者も自由に出入りし、活発に交流が行える開放的な空間をつくりました。そしてよりこのアートコミュニケーターを理解し、親しんでもらうために、愛称をつけてみました。その名は「〜ながラー」と言います。
アートコミュニケーターには専門的な知識とかを求めているのではなく、それぞれのその人の社会的背景を持ち込んできてもらうことによって、より実用的なアートの役割を見いだすことができると考えています。つまり、家庭を持ちながら、会社勤めしながら、育児しながら、主婦しながら、学校に行きながら、老後を過ごしながら、障害を抱えながら、就活しながら、アートコミュニケーターズルームで、みんなと会う。「〜ながら」だからこそ各人の魅力があり、互いを尊重しあえるという価値観です。これは多様性を求められる次世代社会には必ず有効に働いてくるものであると考えています。
岐阜での「〜ながラー」は岐阜を流れる長良川にもかけています。馴染みのある音の「ながら」がより一層、アートを身近な存在に近づけてくれるでしょう。
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