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少し前のお話です。瀬戸内海に象が住んでいました。名前はレインガと言います。背丈は150B位
の小さな象です。レインガは長い鼻をシュノーケルの様に海面
から出して息をしながら海底を歩くのが得意です。レインガは海の底が大好きです。海底には色々な物があるからです。
不思議な形の塊や、キラキラ光る石を見つけては、「これはもしかしたら世界でも珍しい大発見かもしれないゾウ」と想ゾウしたり、壺のようなものを見つけては、「これはいつの時代の物だろう。何に使う物だろう、どんな人が使っていたのだろう」と想ゾウしたり。沈んだ船を見つけると「この船は、何処に行こうとしていたのだろう。何を運んでいたのだろう」と想ゾウするのが大好きでした。
レインガは海底で、「今じゃない昔のことや未来のこと。ここではない海の向こうのこと。まだ会ったことのない人のことをずっと想像していたいなぁ」と夢見ていました。
ある日レインガがいつものように海底を歩いていると、大きな煉瓦船が沈んでいるのを見つけました。大量
の煉瓦が海の底に山のように沈んでいたのです。レインガはこの煉瓦を使って海底に家を造ることを思いつきました。いつまでも想像することができる「想像する家」を造るのです。
それから時間が随分と経ちました…海の底のレインガの姿が海面
に見えてくる日が時々あるらしいのです…そしてその姿はなんと煉瓦で出来ているらしいのです…あなたはレインガを見ましたか…そして、海の底に想像する家は出来ましたか。
このお話は、10月8日に開幕した「瀬戸内国際芸術祭2016秋」に出品した作品の物語です。私は粟島沖の海底に沈んでいた煉瓦運搬船から三百個の煉瓦を引き上げ、その煉瓦を使って作品「Re-ing-A」を制作しました。展示は11月6日までです。ぜひレインガを見つけに粟島に来てみてください。レインガがお待ちしています。
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