エクアドルに来ています。東京藝大とエクアドル中央大学との連携プロジェクト「TURN
IN LA TOLA」が立ち上がりました。2人の日本人アーティスト(大西健太郎・小野龍一)がエクアドルのアーティトとの共同制作をLA
TOLAという首都キト市内にある旧市街で展開していきます。
TURNプロジェクトは国内と海外で行っていますが、海外で行う場合は、日本の伝統的なものを携えて交流を進めています。今回、大西君は新潟県莇平集落に伝わる「シッチョイサ」という辛うじて伝承され続けている即興的な踊りを、小野君は「物の音」という平家物語の中に出てくる、生活の中に存在しているすべての音を音楽と捉える感性を持ち込んで、交流をします。
海外でのTURNはこれまで、ブラジル・アルゼンチン・ペルーで行って来ました、その中では、伝統的なクラフトワークや手業である、組紐、絞り、藍染、江戸つまみ、きりこ、折り方、和菓子を取り入れて来ましたが、今回は身体表現と音響表現をエクアドルに持ち込みます。スタートの日には2人が拠点とする場所に、地元の人や、アーチストたちが大勢集まり、「一体これから何が起こるのだろうか?」と興味津々でした。
彼らはこれから1カ月間滞在して、地元民と交流しながら作品を作り上げていきます。発表は7月1日。私は1度日本に戻りますが、次回来るときにはどのようなものになっているのだろうかと、心配半分期待半分です。
私の今回のエクアドルは3回目になります。場所、人的ネットワークなど準備をしたうえでの、2人のアーチストの登場です。土は耕してあるから、そこに苗を植えた気分です。どのような天候がこれから待ち受けているのか、しっかり根を張り、幹を伸ばし、花を咲かすことができるのか、そしてできれば次に繋がるタネをノと欲は出ますがノ。
1つのアートのことだけをじっくりと異国の地で対峙できる時間空間が何よりも自身を成長させることになるのは確かです。
私もそうでしたが、今はなかなかそのような時間が取れなくて、半ば彼らが羨ましく、後ろ髪を引かれながら帰国します。7月1日にはまた来ます。
|