GIFアニメ 日々の新聞
CONTENTS 日比野克彦のページ
DAY AFTER TOMORROW
Katsuhiko hibino in Iwaki 2001
日比野克彦特集 新聞販売
しんぶんのおりこみチラシのしんぶんのおりこみ
日々の新聞
風の通る家
いわきクロニクル
オンブズマン
編集後記
招待席

田人お伽草紙
草野天平の頁
HIBINO IN IWAKI
時のゆくえ
仲間たちの野辺送り
蔡國強といわきの物語
DUO
オリジナルショップ
定期購読
リンク集
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41
42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62
63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83
84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104
105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125
126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146
147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167
168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188
189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207    



 「種は記憶を運んでくれる船のようだ」と呟いたのは、今から12年前のことでした。新潟の山奥の廃校になった校舎の屋根までロープを張って、建物丸ごとごと朝顔で覆ってしまった夏が2003年です。その秋に大量 の種を収穫し、翌年からはその種が、私の展覧会ごとに美術館を覆うようになりました。
 そして2007年、金沢21世紀美術館では「明後日朝顔プロジェクト」として全国13の地域が参加するようになり、地域と地域、人と人、去年と今年が朝顔の種で繋がり、「この種から全てが始まったなぁ」とじっくりと朝顔の種を見ていたときに呟いた言葉が「種は船のようだ」なのです。その言葉から「種は船」という作品が生まれて行きました。
 金沢を皮切りに明後日朝顔に参加している地域が種の形をした船を作り始めます。金沢では室内に展示→横浜では海に浮かべる→鹿児島では人を乗せて曳航する→舞鶴ではエンジンをつけて航海に出る、と「種は船」は進化して行きました。
 つい先日、久しぶりに「種は船」を製作する機会がありました。東京六本木の21_ 21デザインサイトというギャラリーで行われる展覧会に「種は船」を出品することになり、当初は12年前に作った船を持って行く予定でしたが、入口が狭くて搬入ができず、3日間で造船することになりました。協力精鋭スタッフを動員し、戦時室内での製作です。
 当時の図面をベースにしながら、2019年バージョンは船内に照明を仕込み、種の内部から明かりが漏れてくる種になりました。船が完成した夜に、姫路では明後日朝顔の集まりがあり、私も出席する予定でしたが、製作終了の時間と東京-姫路間の終電が間に合わず、テレビ電話を通 してギャラリーで完成した「種は船」を、姫路の会場に集まった明後日朝顔仲間に見てもらいました。すると異様に盛り上がり「姫路でも種は船をつくるぞ!」・・・種がまた、繋いでくれたようです。

(アーティスト)
 

 
  ホームへ画面上へ