愛知県蒲郡に大きなヨットハーバーがある。5月末にここから20フィートのヨットが日比野デザインのセールと船体で4ヶ月の航海に出港することになった。
船長は長江裕明さん、20年前にエリカ号という船で家族を連れて世界一周をした人だ。ヨット通ならピンとくる海の男である。この航海では環境と芸術をテーマとしてプロジェクトを行い、私が芸術部門を担当している。プロジェクト名は「YESTERDAY
TODAY TOMORROW」。その主旨は以下の文章。
人も文化も海の向こうからやってきた。
島へ流れ着いたものは島の既存のものたちと混ざり合っていった。
そしてまた夢を抱いて海に出た。
海の向こうには自分たちが知らない世界がある。
けど、遠く離れた島と島は海がつないでくれる隣同士。
どこかが似ていてどこかが違う。
少し似ていて少し違う。
昨日と明日は今日がつなぐ。
同じように見える中に違いが見える。
違って見える中に同じようなものがある。
すこしのずれに気づくことが生き生きとした生活を生み出してくれる。
船体とセールの絵もこのコンセプトでデザインした。向こうを思うには想像力が大切である。これは見えないものを見ようとする力であり、形のみえにくい環境問題においても必要な力である。見えてからでは時すでに遅しという場合が多いだけに、見えないときに先を見越して、想像していかなくては間に合わない問題である。
セールの箱が積み重なっている絵は向こうを見るには高いところに登ってみよう。船体の船底部分にある絵は、向こうを想像するには穴を掘ってみよう(砂場で穴を堀り、このまま掘って行くと地球の裏側に行けるんだ!という想像力)。船体の横に描いてある丸が連なっているのは、向こうに行くには、1つずつ伝えていこう。ということである。
そんな話を今日、蒲郡でしてきました。 高円宮妃殿下が名誉総裁を務める日本セーリング連盟の大会があったのですが、みんな応援してくれるということで。