水戸芸術館現代美術ギャラリーで2005年8月に個展を開催いたします。タイトルは「一人万国博覧会」。作品はもとより、演劇、ワークショップなどのイベントを織り込んだ空間時間のものを考えています。
いわき市立美術館で個展を開いたのが2001年の9月でした。忘れもしない9.11のテロ事件の翌日がオープニングで、公開制作ではあのショッキングな映像が頭から離れず、ツインビルと飛行機が絵の中に現れてきたのを今でも鮮明に覚えています。あれから4年後の美術館での個展ということですが、今回はすべて新作を展示します。その時、折々の社会状況の中での自分の立ち位
置を確認しながら自分の身体を通して作品に仕上げていくことは、楽しくもあり苦しくもあり、というのが正直な気持ちであります。8月6日の初日まであと何日か数えるとビックリするほどしか時間がありません。
まずは美術館のモデルを作ってみました。50分の一の模型を前に「でかい!広い!」と思いながらも、腕が鳴るなるキンコンカン!この空間をヒビノ的に埋めてやる!ということでダンボールで覆ってみました(わかりやすすぎ)。
空間を粘土のようにいじりながら形を探っていくにはまずは自分にとっていじりやすいニュートラルなメディアにしようということです。白いホワイトキューブの空間を茶色い梱包材で包みこむ。そこからスタートしました。まだまだこれから何度も脱皮し、さなぎにもなりながら冬を越し変容していく予定です。一日たりとも無駄
には出来ないのが現状です。 変容する時のエネルギーはどこからやってくるのだろう。日々そんなことをイメージしながら格闘している今の私です。
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