11月23日、大阪中之島にある国立国際美術館で行われている「ニューウィブ・現代美術の80年代」展のイベントで「PRESENT
FROM '80s」と題して公開制作を行いました。タイトルは随分と前に決めたものの、当日の朝「何をつくろうかな」と考えながら、前日仕事で帰郷していた岐阜から大阪へ。80年代に関連したもので、そして大阪でつくることに意味があるもので、11月23日に制作することに価値があるもので、などなど。
で、スマホでいろいろ調べていると、大阪万博が23日にその開催を決める最終の会議がパリであり、深夜に発表されるとのこと。私にとっては大阪万博といえば、「1970年OSAKA
EXPO70人類の進歩と調和! 世界の国から! こんにちは」である。小学校5年生の時だった。今から48年前! ひょえー! そんなになるのか。あの時もこの日のように、岐阜から大阪へ向かっていた。
記憶では3回、万博会場に行った。岡本太郎の太陽の塔、アメリカ館に展示してあったアポロ宇宙船が持ち帰った月の石ノ。そんな世代が80年代に20歳代になり、ニューウエイブが起こるのである。ということで、2025大阪万博をテーマにして公開制作することにした。
その大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。高齢化社会、ダイバーシティー、医学、AIなどがキーワードになってくるEXPO2025である。公開制作の会場には高校生から年配者まで各年代の方々が程よい感じで50人くらいかな、混ざり合っていた。午後1時から6時までの予定。会場に来ていた人に、今夜大阪万博開催を決まる会議がパリであることを話したら、ほとんどの人は知らなかった。当然テーマも。なので、この公開制作の時間で大阪万博が開催できるようにみんなでテーマについて考えてみるかということを促しながら、「人口ピラミッド」をモチーフとした立体作品をつくり始めた。
10代未満、10代、20代、30代、40代、50代、60代、70代、80代、90代、100代、110代と12個の輪をつくった。2050年の日本の人口ピラミッドにあわせて輪のサイズをつくった。輪には数字を1から120まで順番に描いた。それをモビールのように構成して、最終的には天井から吊り下げた。
時刻は午後8時になっていた。自分の中で、不思議な意外な作品が出来上がった。この日でないと絶対、そうはならなかった。この会場の様々な人がいなかったら絶対この作品は産まれてこなかった。そんなプレゼントが80年代から送られてきた11月23日だった。そして、この日の夜に「開催決定!」のニュースが日本中に流れた。
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