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Katsuhiko hibino in Iwaki 2001
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   ノブのないドアについて考える。これは引き戸ではなく通常ノブを使って開けるべきドアにノブがない場合のことである。
 ドアは空間と空間を繋ぐ役割を持つとともに、隔たたせる役割も持っている。これはドアの機能である開いたり閉まったりすると同時に生まれるものである。基本的にドアは一枚の板と二つの蝶番と一つのノブで出来上がっている。一枚の板がなくって二つの蝶番とノブしかなかった場合は二つの空間を隔たたせることは出来ない。一枚の板とノブしかなかった場合は壁に板が挟まったままで二つの空間を繋ぐことは出来ない。今回のテーマはもう一つの場合である、一枚の板と二つの蝶番しかなかった場合、つまり「ノブのないドア」とはどのような状態になるのだろうか?
 ドアを引くのか押すのか、開ける方向が押す方向であればノブがなくても一枚の板を押せばドアは開く。つまりドアとして一度は機能する。そう一度である。ひとたびそのドアを開けて隣の空間に移動してしまったら、そう、もう二度ともといた場所には戻って来られないのである。つまりノブがないと一枚は押すことは出来るが、一枚の板を引く事は出来ないのである。
 しかしもとの場所に戻る努力をしてみよう。向こうから来られたのだから、ちょっと工夫すれば帰れそうな気がする。ドアとして一度は役割を果している訳だから、知恵を絞ればもう一度くらいはドアとして働いてくれるような気がする。
 まずは注目すべき点は壁とドアの間にある僅かな隙間である。ここに何かを差し込んで一枚の板を引く動作を行う。これには妙な力が必要になってくる。それはまるで、朝ベッドの中で今さっきまではっきりと見ていた夢を、目を覚ましてから思い出し始めたとたんに、不思議なくらい消えはじめていく空に消えていく、けむりのようなものを全速力で追いかけようとするが、どこにどう集中すればいいのかわからないような、力と似ている。開きそうで開かない、まるで壁のようだが、けれども確実にドアのカタチをした隙間がそこにはある。
 思い出そうとして思い出せない記憶、何か以前に感じたことがある感覚、どこかに何かありそうな予感、ここはどこ・・・。ノブのないドアは良く見かける。
(アーティスト)




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