2006年ドイツワールドカップがいよいよ差し迫ってきた。2002年の日韓ワールドカップが閉幕したとき、「4年後は長いなー」と首を長くしたものだが、意外とあっというまにやってきた。ということは6月9日に開幕する本大会を今は首を長くして待っているが、そんなものはもう明日始まると考えてもいいぐらいで、こんなに悠長に構えている場合ではない。
サポーターもこんな気分なんだから、ジーコなんてハラハラしているのかな、と思いきや例年の如く正月はブラジルに里帰りしている。しかし選手は大変だ。まだ誰1人代表選手は決まってはいない。体調を管理するために、欧州の所属するチームをも変えたりする。4年前では考えられなかったことである。8年前はなおさらである。
先日高校サッカーで優勝した滋賀県代表の野洲高校は、今までの高校サッカーの常識を変えた。セクシーフットボール!
魅せるサッカー! チョイ悪! などをキーワードにテクニックを前面に押し出したサッカーで、これまでのスポ根サッカーを制してしまったのだ。高校時代の3年間で選手は成長する。あっという間に時間は過ぎていくが、その時間がこつこつとすべてのものを育んでいく。
日本においてサッカーは急激に進化している。これはスポーツという領域だけでなしえたことではなく、文化という意識がこれだけの進化をさせているのだと思う。選手の身体的・肉体的な鍛錬だけではなく、周りの空気が人間を興奮させ、気分を向上させる文化的な気風にサッカーの社会を押し上げている。
こんな状況の中で、サッカーを文化的なアクションであると捉えていこうと考えて、私はある企画書を作成した。九州国立博物館でのワールドカップをテーマとした展示催事である。このような今までの常識では考えられない企画が生まれ、受け入れられていくということは、ますますサッカーの文化的気風が動き始めているということである。
2006年6月のワールドカップはまた何を私たちに教えてくれるのだろうか?
そして2010年南アフリカ大会がいまから待ち遠しい!
首がいくら長くても足りないくらい。
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